ベジタリアンが多い国はどこ?人口・国別割合を観光庁資料から解説|世界のベジタリアン・ヴィーガン人口は約5.3億人

世界ではベジタリアン人口が増加しており、2023年時点では約5.3億人に達しています。では、ベジタリアンやヴィーガンが多い国や地域はどこになるのでしょうか。

この記事では、国土交通省観光庁(以下、観光庁)が公開している資料に掲載されているEuromonitor(世界の市場動向や消費者行動を調査している民間(英国)の推計)のデータをもとに、ベジタリアンの割合が高い国や地域、日本の状況について解説していきます。

なお、本記事でいう「ベジタリアン」にはヴィーガン、ラクト・ベジタリアン(乳製品OK)、オボ・ベジタリアン(卵OK)、ラクト・オボ・ベジタリアン(乳製品と卵OK)が含まれています。

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ネット上にはさまざまなデータがありますが、調査方法や対象によって結果が異なる場合があります。本記事では、できるだけ信頼性の高い公的機関や専門機関の資料を参考にしています。

目次

世界のベジタリアン人口は約5.3億人

観光庁が公開している「ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム旅行者おもてなしガイド(令和6年4月)」によると、世界のベジタリアン(ヴィーガン含む菜食者)人口は増加傾向にあり、2023年時点で約5.3億人に達しています。

同資料で紹介されているEuromonitorのデータでは、2003年のベジタリアン人口は約3.6億人でしたが、その後20年間で約1.7億人増加しており、世界的にベジタリアンという食の選択肢が広がっていることがわかります。

世界のベジタリアン人口の推移

2003年:3.59億人
2008年:3.97億人(+3,800万人)
2013年:4.37億人(+4,000万人)
2018年:4.85億人(+4,800万人)
2023年:5.30億人(+4,500万人)

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5年で平均4,275万人が増加している計算です。2028年には6億弱という感じでしょうか。

ベジタリアン人口増加の背景

ベジタリアンやヴィーガンが増加している背景には、さまざまな要因があります。健康意識の高まりに加え、畜産による環境負荷への関心や、動物福祉(アニマルウェルフェア)を重視する考え方が世界的に広がっていることも理由の一つとされています。

また、近年は完全に肉や魚をやめるのではなく、食事の一部を植物性食品に置き換える「プラントベース」の考え方も普及しています。そのため、ベジタリアンやヴィーガン向けの商品・サービスを提供する企業も増えており、植物性食品市場は拡大を続けています。

ベジタリアンが多い主要国・地域ランキング(人口比率)

では、こうした世界的な広がりの中で、実際にベジタリアンの割合が高い国や地域としてはどこが挙げられるでしょうか。

本ランキングは、観光庁資料ならびにEuromonitorのデータをもとに作成しています。また、世界すべての国・地域を対象としたものではなく訪日旅行者数上位20の国・地域におけるベジタリアン人口比の比較となります。

人口比ランキング結果

ランキング(1~21位)国名ベジタリアン人口比率(%)
1位インド20.2%
2位台湾12.3%
3位カナダ11.8%
4位イタリア9.0%
5位ドイツ8.6%
6位イギリス7.5%
7位シンガポール6.3%
8位オーストラリア6.0%
9位日本5.1%
10位フランス4.5%
11位中国4.3%
12位アメリカ4.1%
13位タイ3.8%
14位マレーシア3.7%
15位フィリピン3.5%
16位メキシコ3.4%
17位韓国2.9%
18位香港2.8%
19位インドネシア2.6%
20位スペイン2.0%
21位ベトナム1.4%

ランキングを見ると、インドが20.2%で最も高く、台湾、カナダ、イタリア、ドイツなどが続いています。一方で、日本のベジタリアン割合は5.1%となっており、対象となった20の国・地域の中では中位程度の水準です。

また、上位の国・地域を見てみると、宗教的な背景が強い国だけでなく、健康志向や環境意識の高まりによってベジタリアン人口が増えている国も多くみられます。

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今回のランキングはベジタリアンの割合を比較したものです。ベジタリアンの総数で見ると、人口の多い中国やアメリカにも多くのベジタリアンが存在すると考えられます。

ベジタリアンが多い国にはどんな特徴がある?

インド

ベジタリアンの割合が最も高いインドでは、「宗教的な背景」が大きな理由となっていることが考えられます。

インドで多数派を占めるヒンドゥー教では、牛を神聖な動物と考える文化があります。また、ジャイナ教では不殺生(生き物を傷つけないこと)が重視され、多くの信者がベジタリアンとして生活しています。ベジタリアン向けの料理や食品も豊富で、日常的な食文化として定着しています。

台湾

台湾では、仏教の影響を受けた「素食(スーシー)」文化が広く浸透していることが、ベジタリアン人口の多さにつながっていると考えられます。

素食は肉を使わない食事を指し、宗教的な理由だけでなく健康志向から実践する人も少なくありません。ベジタリアン向けの飲食店も多く、菜食を選びやすい環境が整っています。

カナダ

カナダでは、「健康や環境への意識の高まり」を背景に、植物性食品を積極的に取り入れる食文化が広がっていることが、ベジタリアン人口の多さにつながっていると考えられます。

カナダ政府の公式ホームページで公表されている食事ガイドラインでは、「たんぱく質源として植物性食品をより多く選ぶこと」が推奨されています。このことからも、カナダでは植物性食品を取り入れることが特別なことではなく、社会全体に浸透していることがうかがえます。

Canada’s food guide(カナダのフードガイド)
Canada’s Dietary Guidelines: Section 1 Foundation for healthy eating(カナダの食事ガイドライン:セクション1 健康的な食事の基礎)

・Vegetables, fruit, whole grains, and protein foods should be consumed regularly. Among protein foods, consume plant-based more often.(野菜、果物、全粒穀物、そしてたんぱく質を含む食品を日常的に摂取しましょう。たんぱく質の食品の中では、植物性食品をより多く選ぶことが推奨されています。)

イタリア

イタリアでは、「野菜や豆類を多く使う地中海食の文化」が、ベジタリアン人口の多さにつながっていると考えられます。

イタリア料理には、パスタやスープ、ピザなど肉を使わない伝統料理も多く、菜食へ移行しやすい土壌があります。近年は健康や環境への関心から植物性食品を選ぶ人も増えており、ベジタリアンやフレキシタリアンが広がっています。

日本では出汁や調味料に魚介エキスやチキンエキスが使われていることも少なくありませんが、イタリアにはマルゲリータピザやミネストローネ、リボッリータなど、野菜や豆類を中心としたシンプルな伝統料理が数多くあります。そのため、日本よりも肉や魚を使わずに食事を楽しみやすく、ベジタリアンを実践しやすい環境が整っていると考えられます。

ドイツ

ドイツでは、特に「動物福祉や環境問題への関心の高さ」がベジタリアン人口の多さにつながっていると考えられます。

ドイツ政府の調査でも、肉を食べない理由として「動物福祉(86%)」や「気候・環境への配慮(81%)」を挙げる人が多いことが報告されています。近年は肉の消費を意識的に減らす「フレキシタリアン」も増えており、植物性食品を選ぶことが一般的な選択肢として受け入れられています。

ドイツではスーパーやレストランで植物性食品を選びやすい環境が整っています。そのため、肉を食べない食生活を実践しやすいことも、ベジタリアン人口の多さにつながっているのかもしれません。

だいず

国によって特色が違うのがおもしろいですね

日本のベジタリアン人口・割合はどれくらい?

日本のベジタリアン割合は5.1%

ランキング表を見てみると、日本のベジタリアンの割合は5.1%で今回比較している主要20の国・地域の中では中程度の水準であることがわかりました。

5.1%はおよそ「20人に1人」に相当します。日本の総人口を約1億2,000万人として単純計算すると、「約612万人」がベジタリアンに該当することになります。

インドや台湾などベジタリアンの割合が高い国・地域と比べると低いものの、日本にも一定数のベジタリアンが存在していることがわかります。

日本の今後の展望

日本では健康志向や環境意識の高まりを背景に、植物性食品への関心が高まっています。近年はスーパーやコンビニでもプラントベース食品を見かける機会が増え、ベジタリアン向けの商品やサービスも少しずつ拡大しています。

一方で、日本ではだしやチキンエキスといった動物由来原料が使われる食品も多く、外食時にベジタリアン向けのメニューを見つけるのが難しい場合もあります。そのため、欧米諸国と比べるとベジタリアンを実践しやすい環境が十分に整っているとはいえません

しかし、訪日外国人の増加やプラントベース市場の成長に伴い、ベジタリアン対応の飲食店や食品は今後さらに増えていくと考えられます。日本ではまだベジタリアン向けの選択肢が十分とはいえませんが、植物性食品への関心の高まりやベジタリアン対応メニューの増加により、今後はより実践しやすい環境が整っていくことが期待されます

だいず

外国人にとっても日本人にとってもより便利な社会になるといいですね

まとめ|参考資料

観光庁が紹介しているEuromonitorのデータによると、世界のベジタリアン人口は約5.3億人に達しており、インドや台湾、カナダなどでは比較的高い割合でベジタリアン・ヴィーガンが存在しています。

ベジタリアンが多い理由は国によって異なり、宗教や食文化、健康志向、動物福祉、環境意識などさまざまです。日本のベジタリアン割合は5.1%と主要国・地域の中では中程度の水準ですが、今後は植物性食品への関心の高まりや対応メニューの増加によって、より実践しやすい環境が整っていくことが期待されます。

本記事は以下の資料・データを参考にしています

  • 国土交通省観光庁「ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム旅行者おもてなしガイド(令和6年4月)」
  • Canada.ca「Canada’s Dietary Guidelines: Section 1 – Foundation for Healthy Eating」
  • Clean Energy Wire「Share of vegetarians in Germany remains stable in 2025 – gov’t report」
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