ベジタリアンを始める理由には、健康や動物福祉、環境問題への配慮などさまざまなものがあります。
その中でも、多くの人が気になるのが「ベジタリアンは本当に健康に良いのか」ということではないでしょうか。
そこで本記事では、ベジタリアン生活が健康面に与えるメリット・デメリットについて紹介していきます。
だいずこんな疑問に答えていきます
・本当に健康にいいの?
・栄養が偏って逆にバランスが悪いのでは?
健康面以外のメリットについて知りたいという方は以下の記事をご覧ください。


ベジタリアン生活における健康面の主なメリット


ベジタリアンは野菜や果物、豆類、全粒穀物などを中心に食べるため、食物繊維やビタミン、ミネラルを摂りやすい一方で、肉類や加工食品の摂取量が少なくなります。
こうした食生活は健康面にさまざまな影響を与えると考えられており、主に以下のようなメリットが挙げられます。
メリット① がん・生活習慣病リスクの低減
メリット② 心臓や血管に関する病気リスクの低下が期待できる
メリット③ 肥満予防・健康的な体重を維持しやすい
メリット④ 食物繊維を摂りやすく腸内環境を整えやすい
①生活習慣病・がんリスクの低減
生活習慣病は2型糖尿病や脂質異常症など、食生活や運動習慣が発症に関係する病気の総称です。
生活習慣病は食生活だけの話ではないので一概には言えませんが、複数の研究ではベジタリアンの食事と健康的な影響として血糖改善や体重減少といった生活習慣病の構成要因に関連する指標の改善が報告されています。
また、British Journal of Cancerに掲載された大規模研究では、ベジタリアンは肉食と比較して、膵臓がん(約21%)、前立腺がん(約12%)、乳がん(約9%)、腎臓がん(約28%)、多発性骨髄腫(約31%)などで発症リスクが低い傾向が示されています。
一方で、がんの種類によってはリスク差が見られないものや、統計的に異なる傾向が示されたものもあり、食事とがんリスクの関係は単純ではないとされています。


なお、この研究結果は英国のメディアである「The Guardian」でも紹介されています。


②心臓や血管に関する病気(心血管疾患)リスクの低下が期待できる
心血管疾患とは、「心筋梗塞」や「狭心症」、「脳卒中」など心臓や血管に関係する病気の総称です。これらの病気は、高血圧や高コレステロール、動脈硬化などの要因が重なることで発症リスクが高まるとされています。
肉類や加工食品には、飽和脂肪酸や塩分を多く含むものもあり、摂り過ぎは高コレステロールや高血圧の原因に繋がります。
一方、ベジタリアンはこうした食品の摂取量が少なくなる傾向にあり、複数の研究では心血管疾患や虚血性心疾患のリスクが低い傾向が報告されています。
なお、こうした研究の詳細については、米国国立医学図書館(NLM)が運営するPubMed Central(PMC)などの公的論文データベースで確認することができます。
③肥満予防・健康的な体重を維持しやすい
植物性食品中心の食事は体重の減少に効果的であるとする報告もあります。もちろん食事内容によって異なりますが、健康的な体重を維持しやすいことはベジタリアン生活のメリットの一つといえます。
④食物繊維を摂りやすく腸内環境を整えやすい
ベジタリアンは食物繊維を摂取しやすいです。食物繊維は腸内環境を整える働きがあるため、便秘の予防や改善にも役立ちます。腸の調子を整えたい人にとっては、ベジタリアン生活の大きなメリットといえます。



生活習慣病や心血管疾患のリスク低下は大きなメリットですね
ベジタリアン生活における健康面の主なデメリット


ベジタリアンは健康面で様々なメリットがあることが確認できましたが、デメリットもあります。主なデメリットとしては次の3つが挙げられます。
デメリット① 不足しやすい栄養素には注意が必要
デメリット② 栄養不足による健康リスクに注意
デメリット③ ベジタリアン=「健康」ではない
①不足しやすい栄養素には注意が必要
ベジタリアン生活にはさまざまな健康メリットが期待できる一方で、栄養素によっては不足しやすくなる場合があります。ベジタリアンで不足しやすいとされる主な栄養素は以下の6つです。
- タンパク質
- 鉄分
- ビタミンB12(特に不足しやすい)
- カルシウム
- ビタミンD
- オメガ3脂肪酸(不足しやすい)
ただし、野菜や豆類、大豆製品、植物性飲料、ナッツ類などで代替できる栄養素もあり、サプリメントなどを上手に活用することで不足を補うことも可能です。ベジタリアン生活では肉を抜くだけでなく、栄養バランスを意識した食事を心がけることが大切です。
ベジタリアンで不足しやすい栄養素や不足を防ぐ方法については、以下の記事で詳しく解説しています。


②栄養不足による健康リスクに注意
不足しやすい栄養素を十分に補えない場合は健康に影響を及ぼす可能性があります。
- タンパク質:筋力の低下や疲労感
- 鉄分:貧血やめまい、疲労感
- ビタミンB12:貧血や疲労感、神経機能(記憶力低下など)への影響
- カルシウム:骨密度の低下
- ビタミンD:骨の健康への影響
- オメガ3脂肪酸:記憶力や集中力の低下、血管の健康への影響
なお、ベジタリアン生活であっても適切に栄養を摂取できていれば過度に心配する必要はありません。代替食品を活用したり、必要に応じてサプリメントを取り入れたりすることで、不足を補うことも可能です。
③ベジタリアン=「健康」ではない
ベジタリアンというと健康的なイメージを持たれがちですが、ベジタリアンであってもポテトチップスやフライドポテト、菓子パン、インスタント食品、天ぷらなどの揚げ物といった高カロリーな食品を食べることができます。また、ベジタリアンの種類によっては、アイスクリームやドーナツ、チーズなどを食べることも可能です。
そのため、ベジタリアンだからといって必ずしも健康的な食生活になるわけではありません。健康面のメリットを得るためには、肉類を食べないことだけでなく、偏った食生活ではなく栄養面でバランスの取れた食事を心がけることが大切です。



ベジタリアンだからといって必ず健康になるわけではないということですね。当然といえば当然ですね。
ベジタリアンと健康に関するよくある質問(FAQ)
- ベジタリアンは長生きできる?
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一部の研究では死亡リスクが低い可能性が報告されていますが、寿命には運動習慣や喫煙、飲酒、睡眠などさまざまな要因が影響するため、ベジタリアンであれば必ず長生きできるとはいえません。
- 筋トレやスポーツはできる?
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適切にたんぱく質やカルシムなどを摂取できていれば、ベジタリアンでも筋トレやスポーツを行うことも十分可能です。実際に、ベジタリアンやヴィーガンのアスリートも存在します。ただし、たんぱく質や鉄分などが不足しないよう注意が必要です。
- ベジタリアンはダイエットに向いている?
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食事内容にもよりますが、ベジタリアンの食生活は肥満予防・健康的な体重を維持しやすいとされています。
- ベジタリアンになると肌はきれいになる?
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栄養バランスが偏ると逆に肌荒れの原因になることもあるため、一概に肌がきれいになるとはいえませんが、野菜や果物からビタミンや抗酸化成分を摂りやすくなるため、肌の健康に良い影響を与える可能性があります。
まとめ
ベジタリアンは「本当に健康にいいのか」や「栄養が偏って逆にバランスが悪いのではないか」といった疑問に答える形で健康面から解説してきました。
結論としては、生活習慣病リスクの低下や心血管疾患リスクの低下、体重管理のしやすさ、腸内環境の改善など、さまざまな健康面のメリットが期待できる一方で、不足しやすい栄養素があることや、食事内容によっては疲労感や貧血といった健康リスクにつながる可能性も無視できません。
また、ベジタリアンであっても高カロリーな食品などを中心とした食生活では当然ながら健康的とはいえません。
ベジタリアン生活の健康メリットを活かすためには、食事の工夫や栄養バランスを意識すること、必要に応じてサプリメントを活用するなど、無理のない形で継続することが大切といえます。

